悠久〜yu-kyu〜シリーズ(編集中)

古くから長く受け継がれてきた地元岡山・日本のええもん

(伝統素材・ 伝統工芸品・特産物)が、

これからも果てなく永く受け継がれていきますように…   

長く受け継がれているものを身につけることは魔除けになる、   
縁起がよいとされており、手に取っていただき

心穏やかな幸せな気持ちに   

なっていただけたらいいな…   
そして岡山・日本のええもんの素晴らしさ、

生み出して受け継ぎ続けている地域、

人々のことも知っていただけたらいいな…   

そんな願いを込めてええもんを

樹脂に取り入れたこだわりのシリーズ  


悠久シリーズに使用しているええもんは

いまどきネットでも簡単に購入できるものも

ありますが、現地に行く、コロナの関係で

伺えないところは電話、メールなど

必ず、生産者または関係者の方々と直接

関わらせていただいてから使用させて

いただいております。

作品を通して素材の素晴らしさ、

地域のことも併せて継続的にお伝えできるよう

使用させていただくご挨拶のみでなく、

出来るかぎり、度々、現地の方とお会いして

お互いの近況報告も含めて交流をさせていただいております。

【使用させていただいている伝統素材・伝統工芸品・特産物】

【ローハベンガラ】 岡山県高梁市成羽町坂本西江邸所有
 国登録有形文化財指定 日本遺産認定(西江家住宅主屋など)


江戸時代に本山鉱山を経営、良質なローハより国内、世界初の人造ベンガラ、

ローハベンガラを製造。

そのベンガラは「本山紅殻」という名で「赤の中の赤」と評された。
ベンガラがこっくりとしたどちらかといえば鮮やかな赤とするなら
ローハベンガラは赤の中の赤と評されるようにまた一味違う落ち着きを増した

深みのある色合いです。


陶磁器の絵付け、漆器、歴史的建造物の塗装に用いられ、その色合いは

日本のイメージカラー「ジャパンレッド」と評された。

一旦は途絶えた「ローハベンガラ」であったが、現在も西江邸に
18代当主西江晃司さん一家がお住まいになっており、
江戸期の天然のローハが国内で唯一、大切に保管されています。

その貴重なローハを使用して高品質のベンガラ「ローハベンガラ」を製造されています。

耐候性、木部保護に優れている特性を活かし、日光東照宮のような

世界遺産、国宝、社寺仏閣などの歴史的文化財の修復や

地元岡山県の最上稲荷(高松稲荷)の大鳥居の改修

東日本大震災の津波で消失した六角堂の再建支援、
工芸品(陶磁器、ガラス)などに使用されています。


そんな貴重なローハベンガラを西江様の許可を得て使用させていただいて

作品を作っております。

ちなみにローバベンガラを樹脂に取り入れたのはOrion no mitsuboshiが

日本初、世界初となります。


★西江邸
かつて幕府代官御用所、弁柄産業の中心的役割を
担っており、現当主(18代)が一旦終わりを遂げたローハベンガラの製造を再開。
2020.6.19「ジャパンレッド」発祥の地
〜弁柄と銅(あかがね)の町・備中吹屋〜
として日本遺産の認定を受けた。

(西江邸ホームページ https://inishiekaoru1647.wixsite.com/nishie-residence )

【ベンガラ(弁柄)】 (岡山県高梁市成羽町吹屋 日本遺産認定)

最古の着色料。古代色。陶器、漆器の赤色を出すために使われ、防虫、防腐、

防錆効果もあり経年変化に強く、日光による退色がなく、色合いの美しさから、

建物の塗装に使われた。


現在は工業用として製造されており、セメント・プラスチック・ゴムなどの着色、染料、

塗料、インク、絵の具、自動車・アスファルト塗装、住宅の内装などに使用されたり、

伝統的建築の木材に塗布されたり、食品・化粧品の材料としても使用されています。

吹屋では赤、黄、黒の3種類のベンガラが手に入ります。

★高梁市成羽町吹屋

江戸時代、赤色顔料「ベンガラ」の産地として栄え、瓦や壁などベンガラ色で

統一された赤い町並みが残る街。

2020.6.19「ジャパンレッド」発祥の地
〜弁柄と銅(あかがね)の町・備中吹屋〜
として日本遺産の認定を受けた。

【横野和紙】(岡山県津山市上横野 岡山県重要無形文化財 

       県知事指定郷土伝統的工芸品)

横野和紙の歴史をたどると、住民の戸籍や田籍を記述するために造られ始め、

紙の需要が大幅に増え、「正倉院文書」には、和紙名11カ国の一つとして

美作紙が入っているそうです。

その美作紙が津山市上横野に「横野和紙」として受け継がれており

昔は複数件生産しているところがありました。

しかし、需要の低迷、後継者不足により現在は県重要無形文化財保持者の
6代目の上田繁男さん一家の工房、1件のみで作成されています。   


上田家は江戸時代より津山松平家の御用紙を漉いたことから現在に至っており、

金箔の間に金箔同士がくっつかない、湿気ないように挟む、保存や運搬に

なくてはならない紙、箔合紙を手漉きで作成される日本で唯一の   

工房でもあります。

箔合紙は0.025mmnのとても薄い、未漂白、薄茶色の滑らかなもの

古文書の修復や銅版画等にも使用されているそうです。

海外にも出荷されています。


県重要無形文化財保持者78歳の上田さん、ある外国人の方に
日本(人)はなぜ素晴らしい伝統技術が途絶えてしまってから再建、保存に

取り組み出すのかわからない…

と言われたことがとても胸にささり
それ以来、積極的に横野和紙、手漉き和紙の技術継承、周知のために県内外、

ワークショップなど参加されたり、講演をなさったり、違う地域で手漉き和紙の伝承、

周知に尽力されている方々と交流されています。


そして、手漉き和紙を使ってものづくりをしている私のような者にもエールを

くださる温かい方です。


【神代和紙】   (岡山県新見市神郷下神代)   

奈良平安時代から漉かれていた歴史があり、献上品として運ばれていたと

思われています。

新見市神代は楮、三椏、雁皮の和紙の原料となる植物が豊富に自生していた、

水質がよい、紙作りに最適な条件が揃っていたことで産業が栄えたのではと

考えられています。

製造効率の良い洋紙の需要が増え、さらに後継者不足の問題もあり、

一旦は途絶えてしまいました。

しかし、平成の初めに精米や製粉に活躍していた水車と神代和紙を後世に伝え、

地域活性につなげるため、日本一の親子孫水車、神の館を整備し復活への

スタートを切りました。


復活時には紙漉きが出来る方がいなかったそうで、同じ新見市高尾に高尾和紙

(古くに神代から高尾に技術が伝承されたそうです。)をたった一軒だけ

生産されている職人さんが幸いにもいらして、その方から技法指導をしていただいた

とのこと。

時とともにその技術を受け継いだ方が近年、たった1人となっていましたが、   
若い力が加わり、神代和紙保存会が設立され技術伝承、手漉き和紙の周知していくために
尽力されています。
無地無漂白手漉き和紙だけでなく、柔らかな色彩の手染め手漉き和紙、

お手紙セットなどの手漉き和紙雑貨、  コーヒーフィルターの作成など

精力的に活動されています。


ごく最近、誰もが知る有名な方が展示会で神代和紙をふんだんに使用した作品を

展示されていたり、コーヒーフィルターがSNSで紹介されたり、取り扱い店も増加中!

地道な努力が身を結んでいます。

(神代和紙保存会ホームページ  http://kojiro-washi.jp/  )